ラッキョウ(ヒガンバナ科ネギ属)
ラッキョウはユリ科やネギ科に分類されてきましたが、DNAが決める新分類ではヒガンバナ科になりました。ヒガンバナ科野菜にはタマネギ、ニラ、ニンニク、ワケギなどもあります。
日本ではラッキョウの若取りが「エシャロット」や「エシャレット」の名で売られていました。本来の「エシャロット」はフランス料理やイタリア料理に欠かせない小球のタマネギです。混同されやすいので流通関係では、ラッキョウの若取りを「エシャレット」、小球のタマネギを「ベルギー・エシャロット」と呼ぶようになりました。
ラッキョウは酢漬けや塩漬けなどの漬物にするのが一般的ですが、「エシャレット」は主にそのまま生食されています。新鮮な「エシャレット」にかつお節をまぶし、しょうゆを掛けて食べると、お酒やご飯が進みます。みそを付けて食べても美味です。
ラッキョウは、ニンニクやワケギと同じように種球から育てます。一つの種球が10個ぐらいに分球します。
ラッキョウは、日当たりと風通しの良いベランダなら、プランターでも簡単に栽培できます。
深さ15cm以上のプランターを用意し、市販の培養土を入れます。8月下旬~9月上旬に株間10cm、深さ5cmに種球を立てて植え付け、たっぷり水やりします。その後は土が乾いたら水やりをします。追肥は球が太り始める2月ごろから、1000倍の液肥を1週間置きに施します。球を白く柔らかくするために数回土寄せをします。
11月ごろに紫色のかわいい花を咲かせます。そのままにしても大きな影響はありませんが、球をより大きくするためには摘み取った方が良いでしょう。
「エシャレット」としては3月下旬から収穫できます。漬物用のラッキョウとしては6月下旬~7月上旬に葉が枯れてきたら、株ごと収穫し、葉を切り落とします。
藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。