タマネギ栽培における注意点と病害虫対策
タマネギ栽培は、秋から準備が始まります。近年は、高温期が長く続くなど、暑さに弱いタマネギには厳しい生育環境となっており、高温多湿による病害虫の発生も増えています。今回は、タマネギ栽培における注意点や近年発生が多く見られる病害虫についてご紹介します。
播種時のポイント
苗作りは、強い風雨にたたかれないようにし、発芽までは乾燥しないように気を付けましょう。

発芽時におすすめの資材「芽出たいシート」
暑い時期の芽出しに最適なべた掛け用の遮光シート。日差しを遮って温度を下げ、水分の蒸発を抑制することで、発芽に適した状態を保つことができます。併せて、風雨からも守ることができます。
価格:1m×10m 2,781円(税込)
※令和8年8月現在
定植時のポイント
べと病の越年罹病株を防ぐため、育苗期間中に感染した苗は定植時に破棄しましょう。また、越年罹病株を発見したら直ちに抜き取り処分しましょう。
べと病の症状の特徴
【一次感染】
越年罹病株の特徴は葉の湾曲や色があせてきて(全身発病症状)、葉身に灰色の分生胞子を形成する。

▲一次感染し葉が湾曲
【二次感染】
2~3月ごろでは、葉の表面に淡黄緑色や褐色灰白色の微斑点を形成し、感染株は枯死する。

▲二次感染し葉の一部が小判型に変色
べと病の感染経路
11~12月ごろに土壌中の卵胞子により感染(一次感染)した苗は、翌年の2~3月に越年罹病株として分生胞子を飛散して感染源になる。感染株は約2週間後に発病する。
使用するマルチ
神奈川県内の産地では、幅135cmの穴なし黒マルチに小さい穴をあけて使用。定植に時間がかかるが、10アール当たりの収量が増え、雑草を抑制するなどのメリットがある。
栽培時に発生しやすい病害虫
主な害虫と対策
・タネバエ、タマネギバエ
定植時にダイアジノン粒剤5を10アール当たり3~5kg全面混和する。
・アザミウマ類
発生初期にディアナSC、モスピラン顆粒水溶剤などで徹底防除する。
主な病害と対策
・軟腐病
5月以降に発病が多く、収穫後にも発病する。立毛中では下位葉の葉鞘が1~2枚軟化倒伏する。強烈な悪臭を放つ。
・腐敗病
早春から発病し、葉身に淡黄緑色または淡黄白色のケロイド状壊死斑を生じ、患部で激しくねじれる。
・黒腐菌核病
3月ごろから葉先から灰白色に枯れてきて、根や地際部が腐敗し簡単に引き抜けるようになり、鱗茎下部から褐色に軟化腐敗しながら表面に黒色の小菌核を生じる。
防除農薬
| 薬剤名 | 軟腐病 | 腐敗病 | 予防・治療 | 土壌消毒 |
|---|---|---|---|---|
| バリダシン液剤5 | ○ | ○ | 治療 | ― |
| カスミンボルドー | ○ | ― | 予防・治療 | ― |
| 薬剤名 | 黒腐菌核病 | べと病 | 予防・治療 | 土壌消毒 |
|---|---|---|---|---|
| フロンサイド粉剤 | ○ | ○ | 予防 | ○ |
| バスアミド微粒剤 | ○ | ○ | ― | ○ |
| ダコニール1000 | ○ | ― | 予防 | ― |
| プロポーズ顆粒水和剤 | ○ | ― | 予防・治療 | ― |
※農薬を使う際は、必ず使用方法や注意事項を確認してください
