ネギの黒腐菌核病の防除について
近年、ネギの栽培において問題となっている病気の1つに黒腐菌核病が挙げられます。感染力が強く、1度発生した圃場では再発がしやすく、菌核は4年以上生存するといわれています。また、ネギだけでなくタマネギ、ニンニク、ラッキョウ、ニラなどのネギ属にも感染するため、発生圃場でネギ属を栽培する場合は防除が必要となります。今回は、黒腐菌核病の発生原因や特徴、防除方法についてご紹介します。
黒腐菌核病とは
黒腐菌核病は、「スクレロチウム・セピボラム」という糸状菌(カビ)が原因で発生する病気です。土壌中に生存する菌核から発芽した菌糸がネギに入り込み発症します。初期症状は葉先が黄白色化し、病気が進行すると葉全体が黄色くなり、枯死します。被害株は根や地際部が腐敗するため簡単に引き抜け、重症化すると地際部にゴマ状の菌核粒が形成され、コブ状・カサブタ状になります。
発生適温は、10~20℃で低温期に菌核が活動し、特に10~15℃の間で発病が増加します。地温が24℃以上では発病しません。また、酸性土壌や砂質土、排水性の悪い圃場でも発病しやすくなります。
初期症状:葉先が黄白色に変色
※写真は農文協ルーラル電子図書館より
※写真は農文協ルーラル電子図書館より
重症化:地際部が腐敗し、ゴマ状の菌核粒が形成
薬剤による防除
黒腐菌核病は発病してからの治療は困難なため、発病前の予防が非常に重要となります。定植前に菌が発生しにくい土壌環境を整え、定植後のローテーション防除をおすすめします。
①土壌消毒
| 農薬名 | 使用量 | 使用時期 | 使用回数 |
|---|---|---|---|
| バスアミド微粒剤 | 30~60kg/10a | 播種または定植14日前まで | 1回 |
| ガスタード微粒剤 | 30~60kg/10a | 播種または定植14日前まで | 1回 |
| キルパー | 原液として60L/10a | 播種または定植10日前まで | 1回 |
※所定量を均一に散布し、土壌と混和してビニール等で被覆してください
②灌注・散布
| 農薬名 | 希釈倍数 | 使用時期 | 使用 回数 | 使用 方法 | RAC コード |
|---|---|---|---|---|---|
| パレード20 フロアブル | 100倍 | 育苗期後半~定植当日 | 1回 | 灌注 (注1) | 7 |
| パレード20 フロアブル | 2,000倍 | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 | 7 |
| セイビアー フロアブル20 | 1,000倍 | 収穫前日まで | 3回以内 | 散布 | 12 |
| アフェット フロアブル | 1,000~ 2,000倍 | 生育期 (ただし収穫14日前まで) | 2回以内 | 株元灌注 (注2) | 7 |
※散布および株元灌注の処理適期は、平均気温が継続して20℃以下に下がり始める頃です
※農薬を使用する前には、必ず適用病害虫および使用方法をご確認ください
(注1)セル成型育苗トレイ1箱または、ペーパーポット1冊(約30×60cm、使用土壌約1.5~4L)あたり0.5L
(注2)使用液量1L/㎡
