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営農通信Farming communication

夏の高温を利用した土壌消毒「太陽熱消毒」について

 近年、農業用生産資材の価格高騰や気候変動など、農業を取り巻く環境は刻々と変化しています。今回ご紹介するのは土壌の「太陽熱消毒」です。夏季の高温を活用し、土壌中の病害虫や雑草などの抑制へ効果を発揮します。薬剤も使用しないことから、環境にも優しく、コストも抑えられる有効な手法です。ぜひ、実践してみてください。

太陽熱消毒の効果

■病害虫の発生抑制
太陽熱を利用して播種前の土壌表面の病害虫を防除できます。
■雑草の発芽抑制
土壌中の雑草の種子が、太陽熱の高温により死滅し、雑草の発芽を抑制します。
■コスト削減・作業の省力化
太陽熱の効果により病害虫の防除ができ、雑草の種子も死滅するため、農薬散布の回数と除草作業の頻度を減らすことができます。また、特殊な機材を必要としないため、安価で実施することが可能です。
■環境への配慮
薬剤を使用しないことで、住宅地に隣接する畑でも使いやすく、環境に優しい消毒方法です。

効果的な病気の一例

作物名病気
タマネギ 苗立枯病・白色疫病
ブロッコリー 苗立枯病
キャベツ 苗立枯病・菌核病
ダイコン 亀裂褐変症・白さび病
カブ 白さび病
ニンジン 根腐病

太陽熱消毒の手順

  1. 畑を耕耘する。
  2. 畝を立てる。
  3. 立てた畝に堆肥、元肥を投入し、温度を上げやすくするための水を散布する。
  4. 透明マルチを被覆する。
  5. 土壌温度60℃以上で3~4週間、そのままを維持する。
  6. 畝を崩さないようにマルチを剥がして完了。
【太陽熱消毒のイメージ図】 太陽熱消毒のイメージ図
注意点
  • 使用するマルチは、透明マルチでないと効果が無いので注意してください。
  • 消毒は表層に限られるので、マルチ除去後に耕耘、畝立てをすると未消毒の土壌が消毒土層に混入してしまいます。耕耘せずに播種・植え付けを行ってください。
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