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来年の稲作に備える「秋耕」

 稲刈り後に行う水田の土作りは、米の収量・品質に影響する大切な作業です。わらやもみ殻などの有機物を秋の内にすき込むことで、地力を回復させるほか、雑草・害虫の防除、環境負荷低減にも効果が見込めます。今回はさまざまなメリットが期待できる「秋耕」についてご紹介します。

秋耕とは

 秋耕とは、稲刈りの後、秋に水田の耕運を行うことをいいます。有機物を分解し、土へ変えていくことで、堆肥の施用と同様の効果を生み、水田の地力を回復します。また、翌年の代かきの際、ワラが浮くことを防止することができます。 トラクターの走行速度は遅めにし、ロータリーの回転数は高速、深さは15cm以上に耕しましょう。

雑草・害虫の防除

 多年生雑草の中でも特に防除が難しい「クログワイ」や「オモダカ」の主な繁殖器官は、地下にある茎の一部が養分を蓄え肥大した「塊茎」です。秋耕により、地中の塊茎を土壌表面に露出し、冬の低温や乾燥にあてることで、防除を行うことができます。 また、地中に潜って越冬する「スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)」を潰したり、凍死させたりすることができます。

環境負荷の低減

 地中にすき込まれた有機物が腐熟すると、二酸化炭素の約25倍の温室効果を持つ「メタンガス」が発生します。秋耕を行うことで、春まで耕運を行わない場合と比較して、メタンガスを約1割削減する事ができ、環境負荷の低減に寄与することができます。
 また、耕運の時期が遅くなり、田植えの時期にメタンガスが発生すると、植えたばかりの苗の生育に悪影響を及ぼす事があるため、稲の生育の観点からも秋耕をおすすめします。

注意点
  1. 秋耕は雑草の対策になりますが、除草剤の使用は必要です。秋耕と除草剤の散布を併せて行い、徐々に雑草の密度を減らしましょう。
  2. 近年、JAあつぎ管内では、スクミリンゴガイのほか、防除の難しい雑草である「ナガエツルノゲイトウ」といった特定外来生物の被害が拡大しています。耕運後、次の水田へ移動する前に、必ずトラクターの清掃や洗浄を実施しましょう。持ち込まない、持ち出さないことが防除に向けた大きな対策となります。
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