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IRACコードで効率的な害虫防除を

 現在、農薬として登録される殺虫剤は1,000種類を超え、それぞれ特徴が違います。どの殺虫剤を使用すれば良いのか判断する際に役立つのが「IRACコード」です。今回は殺虫剤を分類する「IRACコード」の見方や殺虫剤の効き方をご紹介します。

参考:(一社)農山漁村村文化協会「現代農業2021年6月号」

IRACコードについて

 RACコードとは農薬を作用機構(農薬が効き目を示す仕組み)ごとに分類し、数字とアルファベットで標記したものです。すべての殺虫剤には、有機リン系[1B]、ネオニコチノイド系[4A]など、「IRACコード」が表記されています。同様に、殺菌剤には「FRACコード」、除草剤には「HRACコード」があります。

 商品名が違う農薬を購入しても、有効成分が変わらず、意図せずに同一剤を連続して使ってしまい、基準を上回ってしまうことがあります。IRACコードをよく見て、使用する薬剤を選びましょう。また、違うコードの殺虫剤を交互に使えば、害虫の抵抗性発達を遅らせることができます。

 見方として、[10A]と[10B]など、数字が同じでアルファベットが違う場合、作用機構が比較的近いことを表わしており、連続した使用は避けた方が効果的に働きます。なお、[1B]と[2B]などの数字の近さは作用機構とは関係ありません。

※IRACコードが同じ農薬でも、成分が違う場合、使用回数など安全基準に関わりはありません

殺虫剤の効き方

 IRACコードと合わせて、農薬の有効成分が害虫にどのように効くか覚えておくと、防除に役立ちます。大きく分類すると①神経や筋肉に効く、②呼吸を止める、③成長の邪魔をする、④腸に効くの4つに分けられます。害虫の種類や薬剤の副成分などによって一概に定義はできませんが、おおむね①は基本的に速効性、②はやや遅効性、③と④はゆっくり効く特徴があります。

殺虫剤の分類と製品例
①神経や筋肉に効く
神経に作用
・有機リン系[1B]
・カーバメート系[1A]
・ネオニコチノイド系[4A]など
神経と筋肉に作用
・アベルメクチン系およびミベルマイシン系[6]
・ジアミド系[28]
スタークル粒剤 
IRACコード[4A]
②呼吸を止める
・アセキノシル[20B]
・METI剤[21A]
・β-ケトニトリル誘導体[25A]など
カネマイト
フロアブル
IRACコード[20B]
スターマイト
フロアブル
IRACコード[25A]
③成長の邪魔をする
皮膚に作用
・IGRのベンゾイル尿素系[15]
・ブプロフェジン[16] など
ホルモンに作用
・IGRのピリプロキシフェン[7C] ・ジアシル-ヒドラジン系[18]など
カスケード乳剤
IRACコード[15]
④腸に効く
・BT剤[11A]
ゼンターリ
顆粒水和剤
IRACコード[11A]
エスマルクDF
BT水和剤
IRACコード[11A]
※使用の際は、必ず使用方法をご確認ください
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