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無駄なく効かせる農薬選びの基本

 梅雨から夏にかけて、農作物に虫や病気が出たといった相談がよくあります。農薬を使用する場合、防除したい病害虫を特定し、目的に合ったものを選択することが大切です。状況や症状をよく確認した上で適切な防除を行いましょう。今回は、実際にあった相談を基にした農薬選択方法の例をご紹介します。

Q キュウリに付いたアブラムシ、コナジラミ、ハダニに効く農薬は?
(1)3つの害虫に登録がある農薬の、「モベントフロアブル」を候補として選びます。
栽培期間中の使用回数に達していない場合のみ使用できます(育苗期後半や定植時に1回のみ使用か、その後は1回まで)。
(2)モベントフロアブルの使用回数が残っていない場合や、効果があまりなかった場合には、アブラムシ、コナジラミに効く「スタークル顆粒水溶剤」とハダニに効く「マイトコーネフロアブル」など、2剤の散布を選択します。
この場合には「スタークル顆粒水溶剤」とRACコード(農薬の作用機構分類)が同じ「アクタラ顆粒水溶剤」、「ベストガード水溶剤」、「モスピラン顆粒水溶剤」、「ダントツ水溶剤」などをすでに使っていると、効果があまり期待できないので注意が必要です。また、2つの殺虫剤の混用で、キュウリでの薬害事例がないかなども確認しましょう。害虫防除を行うことで、アブラムシ、アザミウマ類、コナジラミ類が媒介する各種ウイルス病の予防効果も期待できます。
アブラムシ
コナジラミ
ハダニ
Q イチゴの炭疽病対策をしたい
 他の病害にもいえることですが、第一に考えるのは作物の栽培法、品種あるいは圃場の環境条件を適切に選択して、病害虫が発生しにくい条件を整える「耕種的防除」です。
 それでも実際に病害が出てしまった場合、発病程度によって農薬を使い分けます。殺菌剤は大きく分けて、「予防剤」と「治療剤」に分けられます。
耕種的防除 炭疽病の原因である糸状菌(カビ)は湿気を好むため、雨よけ育苗や高畝栽培をし、株が濡れている時間を極力短くするなど栽培法の見直しを行う。
予防剤 1株に症状が出ている程度であれば、その株を除去し、予防剤である「ジマンダイセン水和剤」を全面散布する。
治療剤 複数の株に症状がみられる場合、病害の広がりを極力抑えるために治療剤である「アミスター20フロアブル」などを散布する。
注)耐性菌が出やすいので、今回の作にはまだ使用していないことが条件です。「アミスターフロアブル」や「ストロビーフロアブル」、「ファンタジスタ顆粒水和剤」といった糸状菌の特効薬を使用する場合は、浸透性の高い展着剤との混用によって、重篤な薬害が生じることがあるので、注意が必要です。
※文中に記述のある農薬の登録内容は、すべて2022年6月1日時点のものです
炭疽病 
葉の斑点型病斑
炭疽病 
全身症例
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