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タマネギのべと病について

 タマネギの病気の一つに、べと病があります。べと病はカビの一種で、分生胞子によって感染と発病を繰り返し、西日本を中心に甚大な被害が発生しています。栽培の際には感染前の予防散布をおすすめします。今回は、べと病の症状や対策方法をご紹介します。

症状と特徴

 10~12月頃に苗床や定植した畑で感染し、翌年の2~3月頃を中心に発病する株がべと病の一次感染株となり、健全株に比べて草丈が低く、葉が湾曲し黄色っぽくなるのが特徴です。また、2~3月頃に感染し、その約2週間後から発病するのが二次感染株で、葉の一部が小判型に黄白色化します。その後、条件が整うと感染と発病を繰り返し、4~5月にかけて多発する傾向にあります。
一次感染し葉が湾曲した株
二次感染し葉の一部が小判型に変色

発生環境

 べと病の感染および発病は、10~20℃前後で起こると言われ、15℃前後で特に発生しやすくなります。また、卵胞子の発芽には適度な水分が必要となるため、高湿度状態(曇雨天)で葉面の濡れが1~2日続くと感染が起こりやすくなります。

防除対策

  • 連作の回避(圃場ローテーション)
  • 苗床の太陽光による土壌消毒
  • 罹病株はできるだけ早く抜き取り、ビニール袋に入れ圃場外に持ち出す
  • 薬剤散布(2021年11月1日現在)
    農薬名使用時期使用回数希釈倍数
    ランマンフロアブル収穫7日前まで4回以内2,000倍
    ジマンダイセン水和剤収穫3日前まで5回以内400〜600倍
    ※散布の際は、展着剤を加用してください

感染前に予防散布を行いましょう

 感染時や潜伏期間中は、タマネギの異変を肉眼で確認することはできず、発病して初めて症状を確認することができます。発病後の散布では十分な治療効果は期待できないため、感染前の予防散布が重要となります。
 散布時期としては苗が5㎝以上に成長後、定植から20~30日後、また、鱗茎が肥大し始める頃(早生種では3月上旬~4月上旬、中晩生種は3月下旬~4月下旬)にジマンダイセン水和剤等の予防剤、発病した場合はランマンフロアブル等の治療剤を散布してください(薬剤は同じ剤を連用せず、ローテーションでの散布を行ってください)。

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