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マツの葉枯病の防除対策について

 皆さまの玄関先に、立派なマツが植えられているところを良く目にします。剪定や防除など、管理をしっかりされている一方、元気がないマツを見かけることも意外と多くあります。今回は、葉枯病の施肥防除対策など、マツをより元気にする方法をお教えします。

主にみられるマツの状態

  • やや葉色が薄い、または薄黄色になってきたなど、マツ全体に元気がない。
  • マツの幹に苔がついていて、樹勢が弱っている(ウメノキゴケなど)。

 植木も同じ場所で育成すると、長年庭に植えられているため、三要素のほか、微量要素が不足しているのがほとんどです。また、剪定作業も行わず、消毒もした事がないなど、管理をしっかりしていない事例が多く見受けられます。まずは、自宅にあるマツの状態をしっかり観察し、どのように樹木を元気にするか、対策や管理方法を考えましょう。

 今回は、近年全国的に問題になっている「葉枯病」についてご紹介します。

病原菌が発生しやすい条件

  • マツの葉に生じた分生子が伝染源になります。
  • 6~10月が多雨であると多発しやすく、秋が深まってくると発生に気が付くことが多く見られます。
  • 強い剪定は樹勢を弱め、マツを弱らせる原因になります。
(対策)
  1. 少しの病斑なら病葉を摘み取って処分してください。
  2. 幹から半径約1mの円を描き、円に沿って15cmほどの溝を掘ります。そこに、有機化成に堆肥、総合微量要素肥料F.T.Eを加えたものを施します。
【注意】

未熟な有機物を入れると、紋羽病の発生原因になるので注意しましょう。

盆栽のクロマツに発生した葉枯病
(農薬による防除)

 葉枯病に対する登録農薬はありませんが、葉ふるい病との同時防御を目的に、キノンドー水和剤40の散布によって、本病の拡大を防ぐことができます。胞子が飛散する5〜10月中に500倍液を月1回の4回散布するか、6〜7月に集中的に4回散布します。完全防除には2〜3年要します。

クロマツ赤斑枯病 越冬後の葉枯症状
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