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新系統のネギハモグリバエについて

 ここ2、3年、ネギの葉に激しい被害を及ぼすこれまでとは違う系統のネギハモグリバエが県内で多く発生しています。 葉先が白く枯れたような症状が出るため、べと病などの病気と間違えやすく、殺菌剤しか散布しなかったことから被害が広がってしまう場合もあります。 これからの季節は寒くなり被害は少なくなってきますが、以下のような症状が次期作でも見受けられた場合には初期防除に努めましょう。

ネギハモグリバエについて

発生時期
 一般に7~9月に多発します。成虫は4月中旬から10月末まで見られます。
生態
 成虫(図1)は、葉の組織内に産卵し(図2)、孵化した幼虫が葉の内部に潜り込んで白い線を不規則に描いたように葉肉を食害します(図3)。幼虫は成長すると葉から脱出し、地表や土の中で蛹(さなぎ)になります。
図1. 成虫
図2. 成虫の産卵および食害痕
図3. 幼虫の食害痕

新系統のネギハモグリバエについて

特徴
 新系統(B系統)のネギハモグリバエは、従来系統(A系統)と比べて一葉あたりの幼虫数が多く、初期の頃はA系統と同じ症状ですが、 進行すると近くの食害痕同士が癒合して葉全体に広がり、葉が白く枯れたようになります(図4・図5)。 葉肉が食い尽くされて表皮が浮いた状態になったときに表皮を剥離すると、多数の幼虫が確認できます。
図4. 新系統の食害により白化した葉
図5. 被害が全面に発生した圃場
防除対策
 A、B系統を形態で識別することは難しく、また多発してからの防除は困難なため、ネギハモグリバエの発生を確認したら系統に関わらず、 下表を参考にネギハモグリバエに適用のある薬剤で発生初期の防除を徹底するようにしましょう。 特に、幼苗期に多発すると株が枯死することもあり、被害が大きくなります。
ネギの生育期にネギハモグリバエに使用できる薬剤例 (2020年10月1日現在)
※タマネギ、ニンニク等にもネギハモグリバエによる同じような症状が出ることがあります。その際には各作物に登録がある農薬をご使用ください。
※ネギは水を弾きやすいため、浸透移行性のある機能性展着剤(スカッシュやアプローチBI等)を加えましょう。
※抵抗性害虫の発生を防ぐため、同一系統(IRACコード)の薬剤の連用は避け、ローテーション防除に努めましょう。
※被害葉および収穫残さは発生源となるので圃場内には放置せず、1カ所にまとめて積み上げ、ビニール等で覆い裾部分を土で埋める等、適切に処分をしましょう。
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