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土壌の利用効果を高める土壌消毒の方法

 土壌を消毒するには、土壌消毒剤でくん蒸する方法、太陽熱を利用する方法、また、有機物の発酵熱を利用する方法など、いくつかの方法があります。今回は、環境にやさしく、比較的簡便な方法について紹介します。ガス抜きの必要がなく、処理後すぐに播種や定植ができます。

1.太陽熱土壌消毒

  1. ハウス内土壌の消毒

     晴天の続く時期にハウスを完全に密閉し、日中の地表面から深さ15cmの地温が40 〜 45℃を目標とし、20日〜 30日かけて有害な病害虫を死滅させる方法です。

  2. 露地での太陽熱土壌消毒

     天候などにより安定性にかけますが、住宅密集地でも安心して行うことができます。

     処理する時期は、日射量の多い7月から8月が最も適しています。それぞれ農家により、土に混ぜ込む資材などに工夫がなされています。処理の方法は、石灰チッソと有機質資材などを施用後、耕耘します。15cm以上の畝を立て、地温の上昇を図ります。土を十分に湿らせ、ポリフィルムで全面被覆します。期間の目安は、昼間の地温45℃で30 〜 50日処理します。

    畝を立て灌水した後、ポリフィルム被覆

2.低濃度エタノールを利用した土壌消毒

 この技術は、農林水産省の実用化技術開発事業の成果として紹介されています。有機物として1%のエタノールを使用しています。フスマや糖蜜などを利用した土壌還元消毒と同様の結果が出ています。土壌にエタノールで灌水処理後、十分に撹拌し、ポリフィルムで被覆して、2 〜 3週間で土壌病原菌(トマトの褐色根腐れ病菌など)や線虫の密度が低下します。その後、フイルムをはがして、水が引いてから耕起します。

参考:熱水土壌消毒

 施設内土壌に熱水を散布し消毒する旧神奈川県園芸試験場で開発された技術です。いかに効果的に土壌の深層まで熱水をいきわたらせるかがポイントです。施設バラ農家や施設トマト農家で利用されています。ちなみに、熱水消毒機も開発されています。

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